お知らせ

2021年02月19日 朝日新聞に『朝日文左衛門の食卓』が紹介されました。

20210204 朝日「食卓」

江戸の食文化 日記から探る
 朝日新聞 2021年2月4日掲載


 江戸時代の食文化を探求する「朝日文左衛門の食卓」が名古屋のゆいぽおとか()ら健康された。著者の大下武さん(78)はNPO法人東海学センター理事。尾張藩士だった朝日文左衛門の日記「鸚鵡籠中記」を精読し、武芸の鍛錬・寺社まいり・街の事件などをテーマに歴史探訪本を執筆してきた。


 今回は、26年間の日記で300回近く詳述してある料理に着目した。正月料理や本人の結婚式と披露宴の献立を例に、カモ汁、どじょう汁、スズキやアカメの刺し身、刺し身のつま各種などのほかエイのてんぷら、ユウガオの煮物、かんきつ系菓子の考察に及ぶ。文献渉猟の興趣も伝わってくる。


 大下さんによれば、日記には献立や食材だけでなくどこでだれと食べたかも記してあり、中下級武士たちは親類縁者や友人と自宅や寺で頻繁に会食していたことが分かるという。女たちに井戸端会議があったように男たちには日常の安心を得る場として会食があった。会食は酒を伴い、宴はたいてい多くの人が吐逆(嘔吐)してお開きとなった。日記には「吐逆」の文字が頻出するといい、「吐くなら飲むな」という理屈とは無縁の酒宴会食が繰り返されていたようだ。


 四六判256㌻。1600円+税。ゆいぽおと(052・955・8046)。(佐藤雄二)